大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和42(オ)1076 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人三角秀一の上告理由について。

原審は、訴外Dと被上告人の祖父Eとの間の売買は本件土地およびその地上建物

をともに目的としたものであつて、右売買に際し、Dに建物所有のために本件土地

を使用させる趣旨の合意がなされたような事実は存しないこと、および、その後上

告人Aが右Dから本件土地建物を買い受け、所有権取得登記を経由したが、これに

先立ち、右土地については前記Eのため所有権移転の仮登記があり、これに基づく

本登記がなされるに及んで右上告人の所有権取得登記は抹消されたこと、そして被

上告人はEからの相続により本件土地の所有権を取得したこと、を認定しており、

この認定は、挙示の証拠に照らし首肯することができる。

そして、前記DとEとの間において本件建物を含めて売買契約がなされたとする

右事実認定は、右建物につき所有権移転登記が経由されなかつた結果、Eの相続人

である被上告人が現にその所有権取得をもつて上告人Aに対抗しえないことを否定

するものではなく、両判断の間には何ら論理上の矛盾は存しない。また、右事実関

係のもとにおいては、仮登記後にDと上告人Aとの間で本件土地を目的とする如何

なる合意がなされていても、これをもつて被上告人に対抗しえないことは明らかで

あるが、これは、本登記の順位が仮登記の順位による結果、仮登記に基づく本登記

がなされたときは、本登記内容の実現と相容れない中間処分の効力が否定されるた

めであつて、右は、本登記の順位保全を目的とする仮登記本来の効力にほかならず、

本登記による対抗力が仮登記の時に遡つて生ずるからではない。それゆえ、原判決

に登記の対抗力に関する法令解釈の違背があるとする論旨は、いずれも、原判決の

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曲解もしくは独自の見解に立つ理由のない非難にすぎず、採用することができない。

なお、論旨(三)は原審における主張判断を経ていない事項に関するものであるの

みならず、前記事実関係のもとにおいては、民法九四条二項の適用を論ずる余地の

存しえないことが明らかであるから、これまた採用のかぎりでない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 大 隅 健 一 郎

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